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陶磁器・漆器・ガラス器の洗い方

はじめに

 工芸品の器を使う時に気になるのが、どのように手入れをすればよいのかわからないという人は多いのではないでしょうか(私もそうでした)。

今回は工芸品のお手入れの方法で、特に陶磁器・漆器・ガラス食器の洗い方に焦点を当ててまとめてみたいと思います。

器の洗い方

1,陶磁器の洗い方

・陶器と磁器の汚れに対する耐性を比べてみると磁器に軍配が上がります。

磁器は陶器と比べて素地が緻密で汚れが入り込む隙間が少なく、汚れが付きにくい性質があるので普通に洗っていただけます。

陶器は逆に多孔質でその隙間に汚れが入り込みやすいので注意が必要です。

目止め(凹凸のある陶器の表面をコーティング)をすることで陶器に汚れをつきにくくすることが出来ます。

ます米のとぎ汁(代用なら小麦粉、片栗粉水一リットルに対し、大匙1から2杯)を用意。

とぎ汁を器にかぶるくらい鍋に入れて沸騰させ、器を入れて弱火で15から20分程置く。振動で割れないように布巾などと一緒に入れる。

火を止めてそのまま冷まし、よくふいて乾燥させます(カビの恐れもある)

・半年に一回、無理なら水に数時間浸しておくことでも汚れの蓄積を緩和できます。

・使用前に軽く水をくぐらせると色のしみこみをある程度防げます。

洗い方

,使用後は汚れのしみこみを防ぐために長時間の浸け置きは避けてすぐに洗ってしまいましょう。

,どちらも食器用中性洗剤を使い、柔らかいスポンジで優しくこすります。

研磨剤入りのスポンジやかなだわしなど器に傷をつけるようなものは避けます。

,水分をふき取り風通しの良い所でしっかり乾燥させましょう。

・頑固な汚れには、その部分重曹を振りかけ数分置いてから優しくこすることでとることができます。レモンを絞った水で2,3回煮沸することで臭いや水垢を除去することもできます。

・それでも落ちない汚れは漂白剤を使うと有効な場合がありますが、色合いが悪くなったり、汚れの代わりに漂白剤が入り込むこともあるためオススメはしません。

・最終手段として、窯元で焼き直してもらうという方法があります。

汚れの元である有機物が燃え尽きるので、汚れはとれますが色合いが変わってしまうことは避けられないのでやはり最終手段ではあります。

漆器の洗い方

洗い方

,食器用中性洗剤を使い、柔らかいスポンジで洗う。

・研磨剤入りのスポンジやたわしで洗うと、漆に傷がつきそこからカビが生える原因になることがあります。

 

・ガラスの器や他のフォークやナイフなどの尖った食器とは一緒にしない。

 水に長時間つけ置きしない、水分がしみこみカビなどの原因となる。

 

・漆器は急激な温度変化や乾燥に弱いため食洗器や乾燥機は使わない、ひび割れの原因となります。

2,清潔な布巾などで水分をふき取り、風通しの良い所で乾燥させる。

・直射日光により変色する可能性があるので、保管する場所は日陰を選びましょう。

※カビが発生したらまずは食器用中性洗剤と柔らかいスポンジで洗ってみましょう。カビが除けなければ消毒用エタノールをしみこませた布で拭き、それから食器用中性洗剤とスポンジの組み合わせで洗えば汚れがおちることがあります。

ガラス食器の洗い方

・基本的には耐熱ガラスや食洗器可のもの以外は、ガラスは温度変化に弱いため急な変化は避けましょう。

洗い方

,食器用中性洗剤を入れたぬるま湯に浸けます。

2,食器用中性洗剤と柔らかなスポンジを使います。水洗い時の水温は40℃ほどでお

風呂と同程度の温度が望ましい。

3,ぬるま湯を全体にかけることで、水切れがよくなり、水垢が付きにくくなります。

4,柔らかい布巾などで水分をふき取ります。

・しつこい汚れにはガラス専用クレンザーを使いましょう。

・茶渋や水垢などの汚れには、レモン汁や、お酢、クエン酸を溶かした水などが有効で、これらで浸け置いた後に洗いましょう。

・切子などクリスタルガラスは鉛が酸性の液体と反応することがありくすみの原因になるため酸性の液体は使用しないようにしましょう。

・酸性の液体でも落ちない汚れ、茶渋などには重曹が有効です。

・重曹を使う場合は水にぬらして、少量の重曹を入れ、ラップを丸めたもので傷が入らないように磨きます。

最後に

私自身は工芸品の器を使うようになってから、食器をすぐに洗う癖がつきました。洗い物は面倒で後に回しがちだったのですが良い習慣がつきました。

また、器を洗う時は、その手触りや色をじっくりと鑑賞することもでき、あまり好きではなかった洗い物の時間に器との会話するような気分になれるという楽しみが出来ました。

器は材質によって扱い方に違いがあり、特に伝統工芸品の器となるとどうしても扱い方に身構えてしまうことが多いのではないでしょうか。

特に、割ったり、汚れてしまったりしたらどうしようかと私自身も思いました。

ですが、何に注意すればいいのかがある程度の知識があれば大部分のことは防げますので安心して使えます。

日用使いするにはやはりある程度の気楽さが必要ですよね。

この記事がその一助となれば幸いです。

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